「急に会議の議事録を頼まれたけど、どんなフォーマットで書けばいいかわからない…」「毎回ゼロから作成するのが面倒で、時間がかかってしまう…」「上司に提出したら『要点がわからない』と差し戻された…」
議事録の作成に関して、こうした疑問や不安を抱えているビジネスパーソンは多いのではないでしょうか。
議事録は、単なる会議の記録ではありません。チームの認識を統一し、次のアクションを確実に実行へと移すための、いわば「プロジェクトの設計図」です。だからこそ、そのフォーマットや書き方一つで、あなたの仕事の評価はもちろん、チーム全体の生産性まで大きく左右されることがあるのです。
この記事では、そんなあなたの悩みを一挙に解決します。ビジネスシーンで即戦力となる高品質な議事録フォーマット(テンプレート)を無料でご提供するだけでなく、「見やすい」「わかりやすい」と評価される議事録の書き方のコツまで、網羅的に解説します。
この記事を読み終える頃には、あなたはもう議事録作成で悩むことはありません。自信を持って、誰にでも的確に伝わる議事録を、効率的に作成できるようになっているはずです。
【無料DL】すぐに使える議事録フォーマット・テンプレート集
「とにかく今すぐフォーマットが欲しい!」という方のために、ビジネスシーンですぐに使える議事録のテンプレート(ひな形)をご用意しました。Word版とExcel版、それぞれシンプルで汎用性の高いデザインと、見た目にもこだわったスタイリッシュなデザインの2種類から選べます。もちろん、すべて無料でダウンロード可能です。会員登録も一切必要ありません。
1. Word版 議事録テンプレート
文章の作成やレイアウトの調整がしやすいWord形式のフォーマットです。会議での議論の背景や詳細なやり取りを記述したい場合や、正式な報告書として体裁を整えたい場合に最適です。
- シンプル版(Word):基本的な必須項目を網羅した、あらゆる会議で使える汎用的な書式です。まずはこれをベースに、自社用にカスタマイズするのもおすすめです。
- デザイン版(Word):見出しや表のデザインを調整し、洗練された印象を与える様式です。特に社外向けの重要な打ち合わせ記録として使用する際に、プロフェッショナルなイメージを演出できます。
(ここにダウンロードボタンを設置する想定)
2. Excel版 議事録テンプレート
タスク(ToDo)管理や項目ごとの整理に優れているExcel形式のフォーマットです。特に、「誰が・何を・いつまでに」といったアクションプランを明確に管理したいプロジェクト会議などで真価を発揮します。フィルタ機能を使えば、特定担当者のタスクだけを抽出することも可能です。
- シンプル版(Excel):決定事項とToDoリストの管理に特化した、機能性重視の書式です。進捗管理表としてもそのまま活用できます。
- デザイン版(Excel):色分けや罫線を工夫し、視覚的に情報が把握しやすい様式です。定例会議など、継続的に同じフォーマットを使用する際に、見やすさが生産性向上に繋がります。
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3. 【シーン別】打ち合わせ・ミーティング用テンプレート
特定の目的に特化した議事録テンプレートも便利です。上記の基本フォーマットをカスタマイズしてご活用ください。
- 社内打ち合わせ用:スピード重視。決定事項とToDoを素早く共有することに重点を置いたフォーマット。「確認事項」「懸念事項」などの項目を追加すると、フランクな議論も整理しやすくなります。
- 社外(クライアント)向け用:正確性重視。敬称や会社名を正確に記載し、丁寧な言葉遣いを徹底するフォーマット。「合意事項」「先方確認事項」「弊社持ち帰り事項」のように項目を分けると、認識の齟齬を防ぎ、双方の合意形成の証跡としてより強固になります。
提供しているテンプレートは、あくまで汎用的な「たたき台」です。最も重要なのは、あなたのチームや会議の目的に合わせてカスタマイズし、進化させることです。
項目を追加したり、不要な項目を削除したりして、「自分たちにとって最も使いやすい議事録フォーマット」を育てていく意識を持ちましょう。これにより、議事録作成がさらに効率化され、チーム全体の生産性向上に直結します。
議事録フォーマットに含めるべき8つの基本項目
どのような議事録でも、これだけは押さえておきたいという基本的な構成項目があります。フォーマットを選ぶ際や自作する際の参考にしてください。これらの項目が網羅されていれば、誰が見ても「わかりやすい」議事録の土台ができます。
1. 会議名
「〇〇プロジェクト第3回定例会議」「△△様との初回お打ち合わせ」など、後から見返したときに何の会議だったかが一目でわかる具体的な名称を記載します。曖昧な名前(例:「打ち合わせ」)は避けましょう。
2. 開催日時
「202X年〇月〇日(水) 10:00~11:00」のように、年月日、曜日、開始・終了時間を正確に記録します。時間の記録は、会議の生産性を測る上でも重要な指標となります。
3. 開催場所
対面の場合は「第一会議室」、オンラインの場合は「Microsoft Teams」など、どこで実施されたかを記載します。オンラインの場合は会議のURLを併記しておくと、録画データなどへのアクセスが容易になり親切です。
4. 参加者
出席者の氏名を役職付きで記載します(社内は敬称略、社外の場合は「様」)。部署名も記載すると、誰がどの立場で参加したかが分かりやすくなります。議事録の信頼性を担保するためにも、参加者は正確に記録しましょう。必要に応じて、欠席者や途中参加・退出者も記載しておくと丁寧です。
5. 議題(アジェンダ)
その会議で話し合われたテーマをリストアップします。事前にアジェンダが決まっている場合は、それを転記しておくだけで骨子が完成します。会議の冒頭でアジェンダを参加者と再確認することで、議論の脱線を防ぐ効果もあります。
6. 決定事項
議事録の中で最も重要な項目です。各議題に対して、何がどのように決まったのか、結論を明確に記載します。ここが曖昧だと、後から「言った・言わない」問題に発展しかねません。議事録の価値が半減してしまうため、誰が読んでも一意に解釈できる言葉で記述しましょう。
7. ToDoリスト(担当者・期限)
会議の結果、発生したタスクを「誰が(Who)」「何を(What)」「いつまでに(When)」実行するのかを具体的に記載します。これがなければ、会議で決まったことが実行されず「会議のための会議」で終わってしまいます。ビジネスを前進させるための最重要項目です。
【ポイント】担当者と期限は必ず明記
ToDoを記載する際は、担当者を「〇〇部」のような曖昧な形でなく「〇〇部の△△さん」まで特定することが重要です。また、期限も「来週中」ではなく「〇月〇日(金)まで」と具体的な日付を設定することで、アクションの確実性が格段に高まります。
8. 議事録番号・作成者
意外と忘れがちですが、議事録の管理上、非常に重要です。「PROJ-A-MTG-003」のような採番ルールを決めておくと、後からの検索性が向上します。また、「作成者」と「承認者」の欄を設けることで、議事録の責任の所在が明確になります。
上記の必須項目に加え、「保留事項」や「懸念事項」の欄を設けるのもおすすめです。今回の会議では結論が出なかったが、次回以降に議論が必要なテーマや、プロジェクトを進める上でのリスクなどを書き留めておくことで、重要な論点の抜け漏れを防げます。
こうした「未来への申し送り事項」を記録しておく気配りが、あなたの評価をさらに高めることに繋がります。
Word vs Excel 最適な議事録作成ツールの選び方
議事録作成でよく悩むのが、「WordとExcel、どちらを使えばいいの?」という問題です。どちらにもメリット・デメリットがあり、会議の目的によって最適なツールは異なります。それぞれの特徴を理解し、賢く使い分けましょう。
ツール | メリット | デメリット |
---|---|---|
Word | ・文章の装飾やレイアウトの自由度が高い ・長文の議論内容を記述しやすい ・報告書として印刷・配布する際の体裁が良い |
・ToDoリストのような表形式での管理がしにくい ・情報の並べ替えやフィルタリングができない |
Excel | ・ToDoリスト(担当者、期限)の管理が容易 ・フィルタやソート機能で情報を整理しやすい ・計算式が使え、数値を扱う会議に強い |
・長文の入力やレイアウト調整には不向き ・セル内で改行すると見づらくなることがある |
結論として、議論の背景やプロセスを文章でしっかり残したい場合はWord、タスク管理と進捗確認が主目的の場合はExcelを選ぶのがおすすめです。社外向けの丁寧な報告書はWord、社内の進捗確認会議はExcel、といった使い分けが良いでしょう。
近年では、WordやExcel以外の選択肢も有力です。GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートは、複数人での同時編集が可能で、リアルタイムでの共同作業に非常に便利です。会議中に複数人で議事録を書き上げることもできます。
また、Notionやesa.ioといった情報共有ツール(ドキュメントツール)も強力です。テンプレート機能やタグ付けによる整理がしやすく、過去の議事録をナレッジとして蓄積・活用したい場合に最適です。チームで導入しているツールがあれば、そちらで議事録を一元管理するのが最も効率的でしょう。
「伝わる議事録」を作成する3つのコツ
良いフォーマット(器)を手に入れても、中身の盛り付け方(書き方)が雑では台無しです。ここでは、誰が見ても「見やすい」「わかりやすい」と感じ、そして「仕事がデキる」と思われる議事録を作成するための、内容とデザインに関する3つのコツをご紹介します。
1. 情報を構造化する
単に文章を羅列するのではなく、情報を整理して構造化することが最も重要です。人間の脳は、整理された情報を効率的に理解できるようにできています。
箇条書きと表を使い分ける
- 箇条書き:決定事項、議論の要点、懸念点など、テキストベースの情報を簡潔に整理するのに適しています。文章で長く書くよりも要点が明確になり、視覚的にもスッキリします。
- 表:ToDoリストのように「No.」「タスク内容」「担当者」「期限」「ステータス」といった複数の決まった項目を持つ情報を整理する場合に最適です。一覧性が高く、一目瞭然です。
2. 視認性を高めるデザイン
内容は同じでも、見た目のデザイン一つで読みやすさは劇的に変わります。少しの工夫で、プロフェッショナルな印象を与えることができます。
余白と強調のルールを決める
- 余白を意識する:文字や図表をぎゅうぎゅうに詰め込むと、圧迫感があり読む気が失せます。セクションごとに行間を空けるなど、適度な余白(ホワイトスペース)を設けると、全体が洗練された印象になります。
- 強調は控えめに:重要なキーワードを太字にしたり、色をつけたりするのは有効ですが、多用は禁物です。本当に重要な箇所(決定事項、担当者名、期限など)だけに絞って使うことで、強調の効果が最大限に発揮されます。
3. 結論ファーストで書く
議事録を読む人は、会議のプロセスよりも「結局、何が決まったのか?」という結論を一番に知りたいものです。各議題の冒頭に「【決定事項】」として結論を先に書くことを徹底しましょう。これはビジネスライティングの基本であるPREP法(Point, Reason, Example, Point)の応用です。
忙しい上司や関係者は、この結論部分だけを読めば会議の概要を8割方把握できます。議論の経緯や詳細な理由は、その後に簡潔に補足すれば十分です。この結論ファーストの構成が、伝わる議事録の鍵となります。
「かっこいい議事録」「おしゃれな議事録」と聞くと、凝ったデザインや装飾をイメージするかもしれません。しかし、ビジネスにおける「かっこよさ」の本質は、見た目の派手さではありません。
それは、「読み手の時間的・認知的コストを極限まで下げる機能美」にあります。誰が見ても一瞬で要点を理解でき、次のアクションに迷わず移れる。そんな洗練されたシンプルさこそが、本当の意味で「かっこいい」議事録なのです。
フォーマットを活かす!「仕事ができる人」の議事録術
優れたフォーマットを手に入れ、見せ方のコツを学んだら、最後の仕上げは内容そのものです。「議事録が上手い」と評価される人は、会議中から書き終えるまでの一連の流れに工夫を凝らしています。ここでは、その具体的な進め方をご紹介します。
ステップ1:会議前の準備
仕事ができる人は、会議が始まる前に勝負の8割を決めています。事前に共有されているアジェンダ(議題)や目的を、あらかじめ議事録フォーマットに転記しておきましょう。これにより、会議中は議論の内容をメモすることに集中でき、抜け漏れも防げます。会議の目的やゴールを自分なりに理解し、メモ欄に書き出しておくのも良い準備です。
ステップ2:会議中のメモ
会議中のメモは、発言を一字一句書き起こす必要はありません。それはただの「記録」であり、ビジネスを前進させる「議事録」ではありません。意識すべきは以下の3点です。
- 決定事項:何が決まったか?(結論)
- ToDo:誰が、何を、いつまでにやるか?(アクション)
- 重要な発言:誰がなぜそう発言したか?(背景・根拠)
特に「なぜ」その結論に至ったのか、背景や理由を簡潔にメモしておくと、後から議事録を見返した際の説得力が増します。
ステップ3:会議後の清書
メモを元に、議事録を完成させます。ここでのポイントは、「だ・である調」または「です・ます調」で文体を統一し、口語(話し言葉)を文語(書き言葉)に直すことです。冗長な表現や個人的な感想は削ぎ落とし、客観的な事実だけを簡潔にまとめましょう。
【書き方の例】
- 悪い例:「〇〇の件、A部長がやっぱりB案のほうがコスト的にいいんじゃないかって言ってたんで、それで進める感じになりました。」
- 良い例:「議題1:〇〇について。コスト面の優位性からB案を採用することに決定。(判断理由:A部長よりコストメリットの指摘あり)」
良い例のように、5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)を意識して記述すると、誰が読んでも誤解のない、伝わる議事録になります。
ステップ4:共有と保管
議事録は作成して終わりではありません。関係者に共有し、いつでも見返せるように保管するまでが作成者の責任です。
- 共有のタイミング:記憶が新しいうちに共有することが重要です。理想は「会議終了後24時間以内」。遅くとも翌営業日の午前中にはドラフト版を共有しましょう。
- 保管方法:チームで共有しているフォルダや情報共有ツールなど、関係者全員がアクセスできる場所に保管します。ファイル名は「【議事録】202X-XX-XX_〇〇プロジェクト定例.docx」のように、日付と会議名を含めておくと、後から検索しやすくなります。
まとめ:高品質なフォーマットで、評価される議事録作成を
今回は、議事録のフォーマットについて、すぐに使える無料テンプレートから、評価される書き方のコツまでを網羅的に解説しました。
- フォーマットは成功の土台:高品質なテンプレートを使えば、作成効率と品質が格段に向上します。まずは記事中の無料テンプレートをご活用ください。
- 8つの基本項目を押さえる:「会議名」「日時」「場所」「参加者」「議題」「決定事項」「ToDo」「議事録番号」は必ず記載しましょう。
- ツールは目的で選ぶ:文章重視ならWord、タスク管理重視ならExcelが基本。チームの環境に合わせてクラウドツールも積極的に検討しましょう。
- 「伝わる」にはコツがある:情報の構造化、視認性の高いデザイン、結論ファーストの3点を意識するだけで、議事録の質は劇的に向上します。
- 評価はプロセスで決まる:会議前の準備から会議後の共有まで、一連の流れを意識することで、「仕事ができる人」という評価に繋がります。
議事録作成は、決して面倒なだけの作業ではありません。それは、あなたの論理的思考力や気配りを可視化し、チームを成功に導くための強力なコミュニケーションツールなのです。
まずはこの記事で提供したフォーマットをダウンロードし、次回の会議で早速使ってみてください。そして、今回学んだコツを一つでも実践することで、あなたの議事録は大きく変わり、周囲からの評価も着実に変わっていくはずです。
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